一人ぼっち

第11話 「遺跡の暗号」

「何なんだ・・・この遺跡は・・・。」
ミュウツーの目の前に書かれているアンノーンの文字。
ゆっくりと見るが、やはりまったく分からない。
ウィンも壁をさわってみるが、ただ冷たいだけだった・・・。

~一人ぼっち~
 第十一話 「遺跡の暗号」

「あぁあ・・・。こんな寒かったら風邪引いちゃうよ~・・・。」
ため息をつき、座り込むウィン。
しかし、ミュウツーは何度か壁をさわっていた。
・・・。遺跡に入ってから、どれくらい時間がたったか分からない。
「ここから出たいのなら、出口を探すんだ。」
ミュウツーは振り向いてウィンに言う。
ウィンは一回くしゃみをして、ミュウツーの元へ走っていく。
「うぅ・・。・・・・。ん?」
ウィンが鼻水をたらしながら、違う壁の方へ向かう。
すると・・・。
「ミュウツー!なんか書いてあるよー!」
ウィンの声は遺跡中に広がった。
ミュウツーはすこし驚いて、ウィンのところへ歩いていく。
ウィンが指をさした壁には、アンノーンの字で文字が書かれていた。

─我は地球に訪問した者。地球についた頃には嫌な感じがしていた。
我を葬って欲しい。そして、この世界の破滅を防いで欲しいのだ。─

「・・・何だこれは?」
ミュウツーは文字の書かれた壁を注意深くさわる。
すると、一部の壁が外れてしまった。
ガコン!
「?!」
そのせいか、突然その壁全体が崩れていく。
「うぉぁぁぉぉぉぉぉぉお!」
ウィンとミュウツーは何とか体制を保って、落ちてくる壁をよける。
壁は鈍い音を出しながら、崩れていった。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・。



二匹は壁に直撃はしなかったが、煉瓦のような壁にうもれてしまう。
しばらくすると、二匹は顔を出した。
「ぷはぁっ!」
ウィンはあたりを見回す。
見たことの無い所だった。
「ここは・・・。森か・・・?」
二匹は煉瓦の山から抜け出し、その場に座り込む。
・・・・・・。
・・・。
・・。

「と、とりあえず森を抜けよう。」

二人の科学者を捜し求める旅。
毎回これだと手がかりも見つからない。
だが、二匹は諦めずに森を進んでいった。






「何だ。同じところばかり通っているような気がする。」
ミュウツーは何度か見た木をさわろうとするが・・。
ふっ・・・。
「?」
すり抜けてしまう。
ミュウツーは何度もさわろうとするが、さわることが出来ない。
次第に、森が消えていく・・・。
「な、何だよ!」
ウィンは驚きを隠せない。
冷静に考えるミュウツー。そしてウィンに言った。
「これは・・。幻か・・・。」
しばらく待っていると、森は完全に、墓場のようなところに変わってしまう。
・・・後ろから声が聞こえる。
「お前たちはどこから来た?」
二匹が後ろを見ると、そこには一匹のポケモンがいた。
幽霊のようなポケモンは浮き上がってこういった。
「私の名はゲンガー。この墓場の管理人だ。」


続く