一人ぼっち

第十五話 「結末」

「はぁ・・・。はぁ・・・。遠かった・・・。」

息を切らして下を向くミュウツーとウィン。
ミュウツーとウィンの目の前には・・・。
洞窟があった。

~一人ぼっち~
 第十五話 「結末」

ゆっくりと中へ入っていく二匹。
洞窟の中はまったくの暗闇。その辺の木を燃やして、奥へ奥へと進んでいった。
ところどころで水が落ちる音が聞こえる。

「こんなところに秘宝があるのか・・・。」

「大体はこういうところにあるんだよ。漫画とかで。」

ミュウツーは洞窟を見るのが初めて。動揺を隠せなかった。
しばらく歩いていると、大きな滝が見える。そこで行き止まりだった。
二匹は滝をよく観察するが、特に変わったところは無い。
・・・突然、滝から大きな生き物が現れた。
ギャラドス。普通の大きさではない。並みの3、4倍。
ギャラドスはミュウツーとウィンをじろっと見ると、低い声で言った。

「何故ここに来た?」

「秘宝を封印しに来た。」

「封印だ・・・?何を言っておる。封印する理由など無い。
・・・。どちらにしろ、秘宝を奪うのなら、私が貴様たちをここで倒す!
ハイドロポンプ!」

「待て!」

ギャラドスはミュウツーの一言も無視し、口から大量の水を発射する。
辛うじて避けた二匹は、手のひらから黒い塊を出し、ギャラドスの方に大きくジャンプする。
その黒い塊をギャラドスの額に当てた。

「シャドーボールだ!」

電気のような音を立てた塊はギャラドスの額で爆発する。
ギャラドスはかなり響く程大きな声で叫び、滝の中へ落ちていった。

バシャァァン!

すると、光っている玉が滝の上から落ちてきた。
ウィンはそれをキャッチして、洞窟から出ようとした・・・が。

「そこまでだ。」

出口の方から声が聞こえる。そこには二人の科学者がいた。
科学者はリザードンの時のように、一人は拳銃。一人は黒いモンスターボールを持っていた。

「お前が・・・・!」

「ククク・・・。私はヴィアン。そして私の部下がデュオだ。
私がお前を作ったのだぞ・・。」

ミュウツーは歯軋りをする。
そして、ウィンはヴィアンとデュオの方に叫んだ。

「お前たちが森を燃やしたのか!お前たちがお母さんを殺したのか!!
お前たちが・・・お前たちが!!」

大きくジャンプしたウィン。そして、ヴィアンとデュオに電撃を浴びせようとした。
その時、ヴィアンはすこしだけ怪しげに笑ったのだ。
それも気付かず、ウィンは二人の方を見ていた。

「雷!」

バチィィィィィィィン!

すっかり倒したと思い込んだウィン。
だが、ミュウツーはまだほっとせず、煙の方を見ていた。
煙は徐々に減っていく。
だが、二人は無傷だった。
二人の前に、ルカリオが右手を上げていた。
雷はルカリオの右手で吸収されていた。
そして、またルカリオの右手から、雷が発射される。

バチィィィィィィィン!

先ほどとまったく同じ音が鳴り響く。
だが今度は、ウィンはは電撃をまともにくらい、地面に叩きつけられていた。

「ぐ・・・。」

「ウィン!」

ウィンの元へ走ったミュウツー。
そして、ウィンはゆっくりと目を開ける。
そして、完全にあいたところで、たちあがった。
そして、二人に問いかけた。

「デオキシスの亡骸・・。お前たちが持っていったのか?」

「ああ。だが、生き返らなかった。だから私たちは秘宝を取りに来たのだ。
さぁ。渡してもらおうか?」

「嫌だ!これは絶対に渡さない!」






ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。

「?!何だ!」

ヴィアンは動揺を隠せない。
ミュウツーは冷静になろうとするが、やはり驚くばかりだった。
そして、ウィンに言った。

「まさか・・・。夜が明けた?
求めているものが消えるって・・・。この洞窟自体が消えると言うことだったのか?!」

滝があふれ出す。
ミュウツーとウィンは逃げようとするが、すぐに滝に追いつかれてしまう。
そして、ミュウツーも、ウィンも。科学者も水の中に包まれてしまった。


続く