一人ぼっち

第18話 「眠れ、地の底へ」

「悪魔・・・。なんてこった・・・。」

ミュウツーは怒りを表すように歯をぎりぎりと食いしばる。
そして、大声で言った。

「何故だ!何の目的で奴らは・・・!」

「ククク・・・。俺にはわからんさ・・・。だが。



     この世界が欲しいんじゃないのか。」


~一人ぼっち~
    第18話 「眠れ、地の底へ」

「この世界が・・・?」

「それしか考えられんだろう。多分、この計画が終わったら俺たちも多分消されるだろうな。
だから・・・。消されるまで暴れるのみだ!
・・・クク・・・ククク・・・さぁ。みせてみろ、貴様の力を!」

ミュウツーは冷静になろうとするが、どうしても怒りがこみ上げてくる。
そして、手のひらに黒い塊を生み出し、瞬間移動のように悪魔のポケモンたちに向かっていった。
悪魔のポケモンたちは必死にミュウツーに襲い掛かろうとする。
ミュウツーが悪魔のポケモンたちに攻撃する際、悪魔のポケモンの顔を見てしまう。
その顔は、完全に操られた様な顔だったのだ。
それにも動じず、ミュウツーはすべての悪魔のポケモンを倒していった。
それをただじっと見つめていたウィンは、ミュウツーを見て動こうとするが、体が言うことを聞いてくれなかった。

「はぁ・・・はぁ・・・。
どう・・だ・・・。」

ナイトメアは珍しく驚いたような顔をした。

「驚いたな・・・。これほどの数を・・・。クク・・・。だが、まだ甘いな。」

ミュウツーの後ろで、倒れていたポケモンたちが黒いオーラのようなものに包まれ、そして、また起き上がってきた。
それを見たミュウツーは、がくっとひざを落とし、その場に倒れてしまった。

ドサ・・・。

とにかく意識を失わないようにミュツーは目を開けていた。
だが、手の指先一本動かすことも出来ない。
ミュウツーの体力は限界に達し、目をゆっくりと閉じていった・・・。





ドクン・・・。ドクン・・・・・・・。ドクン・・・・・・・・・・・・。
「我・・は・ウ・・・」
「?!」




バサッ!

何か夢を見ていたような感じだった。ミュウツーはまったく疲れを見せることなく立ち上がる。

「すこしだけ・・・思い出した。俺が失敗作として生まれる前の事を・・・。
この感じは・・・。そうだ。俺は死ねないんだ。あいつを・・・。この世界を元に戻すまで・・・。
もう一度。力を貸してくれ、ホウオウ・・・。 我はここに在り!」

キィィィィィィィィィィン!!

バンギラスの時と同じ。どこからか無数の火の玉が悪魔のポケモンたちに襲い掛かった。
そしてたちまち悪魔のポケモンたちは消えていった。
勿論、ナイトメアも・・・。

「ぐ・・・グァァァァァァ!」






ミュウツーは肩を下ろし、顔を下げ、ずっと黙り込んだ。
すぐにウィンはミュウツーのところへ走ってくる。
そして、声をかけた。

「大丈夫・・・?」

「あ、ああ・・・・。ちょっと休ませてくれ・・・。」

というと、ミュウツーはゆっくりとその場に座り込んだ。



続く