一人ぼっち

第19話 「赤い悪魔」

ゴポ・・・。

「ついに完成しました。」

「クク・・・。そうか。・・・。今まで何度もあいつらに邪魔されてきた。
だが。これで終わりだ・・・。」

~一人ぼっち~
  第19話 「赤い悪魔」

あれから何時間かたった。体力も回復してきたミュウツーは、ウィンと共にまた森の中を歩いている。
今までと同じ風景。一つを除いて・・・。
ナイトメアの時と似ている。空が赤い。
何故かそんなに驚くことが出来ない。こんなことが何度もあったから。
・・空から大きな火の玉が落ちてきた。地面に着弾した時、ものすごい音が鳴り響いた。
砂煙がなくなり、ミュウツーが目をこすって前を見ると・・・。

「タ・・・・タス・・・ケテ・・・。」

「デ・・・デオキシス?!」

苦しそうな声が聞こえる。目が白目になっている。
誰が見ても操られているようにしか見えなかった。
デオキシスは必死に抵抗しているが、何度もミュウツーとウィンに攻撃を仕掛けてくる。
これもデュオとヴィアンの仕業なのだろうか。
抵抗しているせいか、何度もデオキシスは隙を見せる。
ミュウツーはそこを狙うことも出来るが、何故か攻撃をためらっていた。

「タオシ・・・テ・・・・・。ウ・・・ウァァァァァァァ!・・・。」

突然デオキシスは何も喋らなくなった。今は完全に操られているようだ。
そしてロボットのように無差別に攻撃をした。
デオキシスはヒモのような腕で電撃のようなものを作り出し、それを連射していた。
ウィンは玉を避けきれず、そのまま木に直撃した。

「ぐ・・!!」

「ウィン!」

しばらくの間ミュウツーは倒れこんだウィンを見る。
そして、手のひらで黒い玉を作り出す。

「すまない。デオキシス・・・。」

瞬間移動のように素早い動きでデオキシスの方へ走る。
そして、黒い玉をデオキシスの胸の辺りのコアにぶつけた。
デオキシスの脳はそこにあった。

「グォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」

ゆっくりとデオキシスは地面に倒れこんだ。
だが、黒いオーラのようなものに包まれ、デオキシスは起き上がった。

「まさか、体が使えなくなるまで永遠に操られるのか・・・。」

仕方なくミュウツーは何度も黒い塊をコアにぶつけていく。
だが、すぐに起き上がってしまう。」

「く、くそ・・・!」

デオキシスがミュウツーにとどめをさそうとしたとき、森の奥から二人現れる。
勿論、デュオとヴィアンだった。
デュオは右手にリモコンを持っていた。

「あれが操っているのか・・・!」

ミュウツーがリモコンを奪おうとしたが、空からルカリオが現れ、ミュウツーを投げ飛ばした。
なんとかミュウツーは受身を取り、体のバランスを元に戻す。

「くっ・・・!」

「クク・・・。貴様もナイトメアのようになれたらよかったのになぁ・・。」

「・・・?」

ミュウツーは突然何も喋らなくなった。

「な、何だ・・?」

何か起こりそうな予感をしているデュオとヴィアン。
ミュウツーは、小さな声でつぶやいた。

「思い出した・・・。」


続く