一人ぼっち

第7話 「燃え尽きる森」

「ふぅ。そろそろ行くか。」
休憩していた二匹。ミュウツーが立ち上がると、ウィンも立ち上がる。
「だいぶましになったよ。」
ミュウツーは少し不安そうな顔をしている。
(なんだかいやな予感がする・・・。)



~一人ぼっち~
   第七話 「燃え尽きる森」

「ふぅ・・・。きつい~・・・。」
汗を流しているウィン。
ミュウツーはあたりを見回す。
ウィンは尻尾を気にしている。
「暑いなぁ・・・。尻尾が特に・・・。あつっ!尻尾あちちちち!」
ウィンが尻尾を見ると、尻尾の先が燃えているのだ。
「うぉぉぉぉ!まるでヒトカゲづぁぁぁ?!」
ミュウツーが後ろを向くと、森が燃えている。
「な、何だ?!」
見る見るうちに火がほかの木に移っていく。ミュウツーたちは何もできない。
ウィンは、ライたちが心配になった。
ミュウツーもウィンが何を思っているのかくらい分かる。
「行くか・・・?」
「うん。」
二匹は、ライたちのところへ走っていった。


ボォゥゥゥゥゥ・・・。
燃え続ける火。ライたちも、見ているだけ。
全員脱出できたかと思ったのだが・・。
「か・・・
母さん!!!」
まだ、レビアが木の家の中にいるのだ。
「かあさぁぁぁん!!!!」
何もできないまま、森は燃え尽きてしまった・・・・・・。





ざわざわ・・。
ピカチュウやライチュウたちが、燃え尽きた木をどかして、レビアを探している。
しばらくして、ライがレビアを見つけた。
「レ・・・レビア!」
ミュウツーとウィンが戻ってきたころには、既にレビアは見つかっていた。
二匹は黙ってみていた。
ライはレビアの顔に涙を落とす。
・・・。現実は甘くない。レビアはもう・・・。
息を引き取っていた。
「一体・・・。何故木が燃えたっていうんだ・・・」
ウィンがそう言うと、ミュウツーの頭に浮かんでくる。
「・・・。まさか・・・!」


~~~~研究所~~~~
「森の三分の二は消し去りました。」
「これで雑魚たちも消え去る。
クク・・・。クハハハハハハハ!」
~~~~~~~~~~~
「覚えがあるの?」
ウィンがミュウツーに聞くと、首をこくりとおろす。
「ああ。多分・・・。あの二人だ。」
「!」
何もできない二匹は、黙ってここを後にした・・・。



~~森の奥~~
「一体・・・。何のために?」
二匹は、研究所のところへ行くと決めた。
「多分ピカチュウたちが邪魔だったのかもしれない。ピカチュウたちがいると、俺がここに来る可能性があると思ったんだろう。二人は俺がまだ生きているのに気付いていなかったから、そのまま海に捨ててしまったんだろうな。
いくら失敗作でも、おれは少し力がある。一秒でも早く俺を殺しておきたいと思ったんだ。だからピカチュウが邪魔だったんだ。」
「・・?よく分からないよ。」
ウィンは少しだけため息をつく。
ミュウツーは続けていった。
「つまり、俺がピカチュウたちの所へやってこれば、まだ俺は生きることができる。しかし、ピカチュウたちがいなければ俺は何も食べれず死んでしまうと思ったんだ。だからピカチュウをあの炎で・・・。」
ウィンはそれを聞くと、下を向いた。
ミュウツーも・・・。
「・・・。何とか・・。この森を元に戻さないといけない。
そして・・・。あの二人を倒さないといけないんだ!」


   続く